2022年6月10日金曜日

「Rado miniatures」のボックスアートを担当させて頂きました (Rado miniatures,1/35,RDM35050)

 Rado miniaturesの新作レジンフィギュアのボックスアートを担当しました。

 造形はRadek Pituch氏。「Rado」のオーナーでもあります。

 新作RDM35048の兵士はM40グレートコートの上に後期型迷彩スモックを着用しており、Y字型サスペンダーは資材枯渇により戦争後期から使われたキャンバス製、パンツァーファウスト60あるいは100を携帯した戦争末期の姿となっています。

RDM35049の兵士は「ハリコフパルカ」の通称で知られるアノラックを着用しており、これは武装親衛隊の間でのみ使われたもので、ちょうど1943年のハリコフの戦いから登場しました。更にこの兵士が着用しているのは1944年初頭に導入された前開きの後期型で(前期型はプルオーバー)、StG44やパンツァーファウスト60/100 などと相まって戦争末期の姿を演出しています。また、ベルトに挟んでいるM43柄付手榴弾は、簡易の冬季迷彩で白く塗られたままのものを携帯しています。

RDM35012の2体とも相性がよく、これら4体セットで「春の目覚め」作戦などをイメージした、戦争末期の装備がまるでバラバラなドイツ兵たちの姿が再現可能です。

 https://radominiaturesworld.com/products/rdm35051

 



 

2021年9月13日月曜日

WW2 German Tank Hunters(1:35.Dragon:6034.)

Dragon 1/35

German Tank Hunters. 

ITEM NUMBER: 6034. 

・ボルスタッド氏により描かれている箱絵は、1944年以降の対戦車班で、例えば各歩兵連隊ごとでは、パンツァーシュレックを装備する歩兵で編成された対戦車小隊を保有していました。(そのため兵科色は歩兵/擲弾兵の白で描かれています) 

・パンツァーシュレックの初期型には防盾が存在せず、射手はガスマスクで防護をする必要がありました。しかし、このフィギュアの兵士が構えているのは改良型で、取り付けられた防盾により射手は防護されました。興味深いのは、この防盾は資材の関係で鉄製だったため非常に重く、改良型になってもあえてこの防盾を取り外し初期型同様の運用をした兵士がいたとされることです。

・パンツァーファウストを構える兵士の階級は軍曹で、チュニックの襟には下士官であることを示す白のトレッセが施されています。また、右腕には戦車撃破章(銀)を3枚佩用しており、これは携帯可能な火器で戦車を撃破する毎に銀賞が1枚授与されました。

・StG44を装備した兵士が構えている珍しい榴弾は、パンツァーヴルフミーネと呼ばれるもので、成形炸薬に柄とフィンが取り付けられたようなデザインをしています。これを投擲するとフィンと帆が開き、落下の軌道を安定させることで装甲へ垂直に当てて貫通力を発揮しようとするアイデアでした。これがどの程度実戦配備されたかは不明ですが、空軍地上部隊が磁気吸着爆弾よりは安全な兵器としてこれを運用したとする説があり、もしかすると箱絵のように陸軍の対戦車班も一部で運用されていたかもしれません。

 ・戦争後半には物資不足による簡易化が軍装にも及び、革の不足はブーツやサスペンダーにも影響を与え、1943年には黒革のマーチングブーツが生産廃止となり、キャンバス製のゲートルとアンクルブーツが代替えとして大量に作られることとなります。